Giro d'Italiaを観に行きたい一心で、ノリでイタリアに飛び出しちゃった自転車好きの旅行記。
前回はトレントでの通常レース観戦の模様をお届けしましたが、第2回の今回は、ミラノでのジロ最終日、個人タイムトライアル(TT)観戦記。
※今回写真かなり多めです。読み込み遅くてごめんなさい。ゆっくりしていってね!
トレントでの通常レースは、街中を高速でだーっと駆け抜けていく集団をひゅんっと見てあっという間に終わってしまいました。ですから沿道の観客もそれなりにいることはいるんですけども皆が大挙して殺到というわけではありませんでした。まぁこんなもんかと。
ところが今回は個人TT!ミラノ市街地30kmのコースを選手ひとりひとりが順番に走るので、沿道観戦も長い時間楽しめる。
その上、今日はジロ最終日。即ち今日の結果でおよそ1ヶ月のも及ぶ死闘に決着がつき、勝利の栄冠を手にするその瞬間を目の前で見ることもできるのです。
これが何を意味するか。
そう、お祭り、お祭りですよ!プロデューサー!ゝノ゚ ヮ゚ノノ
ジロ・デ・イタリアは毎年最終日はここミラノでの個人TTと(大方)決まっていて、ゴールゲート(冒頭写真)とポディウム(表彰台)はミラノ最大の観光名所、ドゥオーモ前広場に設置されるのです。
ゴシック建築の大傑作を見ようと普段からも観光客がひしめいているこの広場に、そんなもんまで設置されちゃった日にはもうね。しかも日曜日だしね!上みたいなことになりますわ。
お客だけではありません。コース・会場設営やTV放送のスタッフも忙しそうに走り回ってるし、協賛スポンサーのブースができてグッズを配りまくったりしてるし(上1枚目)、本レース開始前には同じコースを使って市民サイクリングイベントをやったりもしてるし(上2枚目)で。今回15日間のイタリア旅行の中でもっとも賑やかな日に。
この日出走は13時頃でしたが広場についたのは10時過ぎくらい(それでも物凄い騒ぎ様でしたが)だったので、観戦場所取り前にいろいろ見て回ることにしました。
ゴール前の最終ストレート。
トレントの時とは違い、午前中からしっかり交通整理、及びコース作成が為されています……って普通レースでもゴール前はこんな感じか。
最終ストレート脇のVIP?報道?席。ちなみに前日の午後もこの広場には来ていたのですが、その時にはこんな大掛かりな設備はこれっぽっちもできてはいませんでした。「明日なのに大丈夫なのかな…」と不安を覚えたほど。どうやらイタリア人が本気出すとヤバそうだ。
続いてゴールであるドゥオーモ前広場からスタート地点であるスフォルツァ城前広場を直線で結ぶダンテ通りに向かいます。スタートとゴールを直線でわずか数100m程度で結ぶこの通りは、コースに設定されてはいないので、協賛企業のブース展開でひしめき合っています(上1枚目)。
前回エントリーでも紹介しました総合1位の証『マリア・ローザ』のスポンサーであり、ジロのメインスポンサーでもあるESTA THE(エスタテ)なる飲料メーカーブースには、巨大なESTA THEバルーンが。
ちなみにこのエスタテ、スーパーに行くと3個セットで1~1.5€くらいで売ってます。1個あたり200mlくらいの小さいジュース。こんな小さなジュースの売上でこんなデカイ大会スポンサーなんて務まんのか…?と思いましたが、日本で言えばヤクルトとかカルピスあたりか、と思うとなんか妙に納得してしまう。
このブース中に誰もいなかったのでなんのブースかはわかりませんが、奥壁のチャリンコアニメの1日も早い日本放送を願っております。むしろ日本で作れ。
ダンテ通りを抜けると、スタート地点であるスフォルツァ城へ。
選手出走の2時間前にも関わらず、この人だかり。
市民レースイベントもやっていたようですし、それに何より城壁に沿って少し歩けば、
各チームの変態(意訳:世界最高峰)バイクの数々……!
そして超一流メカニックがその変態バイクを整備している所を目と鼻の先で見ることができる!
できることなら手を触れて跨いで乗ってみたかった!できるわけないんだけども。
メカニックの方々は整備しながらも、そばで観ている自転車ファンの方とも気軽に話をしていたりしました。みなさんイタリア語なので何言ってるかはさっぱりだったし話かけるのも躊躇われましたが……よく考えればみんなきっと英語喋れるよね、何か話しかけてみれば良かったかなとちょっと後悔。
さてそろそろ場所取りに行くか、とドゥオーモ前広場に戻ります。
流石に人で埋め尽くされていたけど、日本人の場所取りスキル舐めてはいかん。ゴールゲート前に潜りこむことに成功。
レース主催者であるGazzettaTVの実況解説が目の前に。会場に設営された巨大ディスプレイの映像を見ながら今大会を振り返っています。
ちなみにこの巨大ディスプレイ、コース挟んで今自分が立っている側(ドゥオーモ前広場とは逆、V.エマヌエーレII世のガッレリア側)に設置されているため、自分はほとんど見ることがかないませんでした。レース中もずっと放送映像を流しているのでTV報道も見つつレースも観戦したいという方は広場側に場所をとることをおススメ。ただしコースとの間にスタッフ用通路スペースが設けられているので、最終ストレートに入ってきた選手を肉眼でじっくり見ることは難しいのがイマイチな点。
フェンス一枚挟んでもう目の前で選手を見たいという方には自分のいる側(ガッレリア側)をおススメします。まぁポディウムも広場にあるので、総合的に考えると広場側の方が良いかな、という感じです。
レース振り返りが終わると、様々なイベントが。
4賞ジャージを身に纏ったイタリア人美女たちによるジャージお披露目。
ピンク色の『マリア・ローザ』は総合優勝者に。赤色の『マリア・ロッソ・パッショーネ』はポイント賞、即ちキングオブスプリンターの証(今回はちょっと違ったけど)。青色の『マリア・アッズーラ』は山岳賞、山岳コースを最も速く登り切ったキングオブマウンテンの証。白色の『マリア・ビアンカ』は25歳以下でトップの選手に贈られる新人賞。
まぁこの中で選ぶなら……マリア・アッズーラが好きですね(論点が違う)でも自分美人系よりも可愛い系のが好みなんですよ。日本の女の子が一番です(黙れ)
その後は先日よりも一層の爆音と密度で繰り広げられるAdvetising Parade!!
これが会場のお祭り的盛り上がりに拍車をかけます。
さらに各スポンサーのお姉さん方がグッズをあちらこちらにバラマキまくり。これがもうね、もみくちゃのめっちゃくちゃ!背後からのプレスがハンパない。なんて頑丈なフェンスだろうと何度感心したことか。
お姉さん方は大抵後ろの方に向かって投げちゃうんですよね。最前列の自分はそれをキャッチすることはまずできない。なので物欲しそうな視線をお姉さんにじーっ(´・ω・`)と向けていると、お姉さんはにこっとした笑顔と一緒に手渡しでくれる。なんというプライスレス。
SKODAのキャップ帽を配ってた超美人なお姉さまは、手持ちの帽子を全部ばらまいた後で目の前の(´・ω・`)な俺に気づいたと思ったら、すかさず自分がかぶってた帽子をとって、満面の笑顔で優しくかぶせてくれました。これが……初恋……?(色欲)
さてレースです。(賢者モード)
恐らくパレードの途中からレース自体は始まっていたと思います。
警備員の手によってコースからの締め出しが一気に進みます。関係者でもノロノロしてると物凄い剣幕で怒られてました(笑)
前日次点で総合タイムが下位の選手から順番に出走します。
まー相変わらずの高速展開。 そりゃTTのゴール前に構えてるんですからね、どの選手もトップスピードで突っ込んできます。 デジカメで動画撮るにしても難しいのなんの。 ちなみに今大会唯一の日本人選手、別府史之選手のゴールシーンもカメラで捉えております! 『フミイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!!!!』 と叫んでいるのは私です(笑) しかも肝心の最接近時にカメラで捉えきれてないっていうね。まぁ目で追いながら叫びながら、カメラはファインダー覗かずに「この辺かしら…」と勘で動かしているだけなので当たり前ですね(笑)最接近時は横方向のスピードMAXなので普通に追っかけてもまぁまず撮れないでしょうね……。 ちなみに。 この日宿で同じ部屋になり一緒にジロを観に来た友人は、フミのゴール後、すかさずゴール奥のコース最端部に赴き、フミからサインを貰い、記念写真まで一緒に撮ってもらうという実に羨ましいお土産をGETしていました……!話を聞きすかさず駆けつけるもフミは既に去った後……無念orz さて気を取り直して。 総合タイム下位でこの日のTTでも上位は狙えず「完走キタ━('∀`)━!」な選手たちは、ゲート通過の瞬間にふっと力の抜けた安堵の表情を見せます。 逆に総合上位陣やTTで上位を狙う選手はコンマ1秒でも稼ごうと、ゴールに向かって自転車をぐいっと押しこむように飛び込んできます。 ……何が言いたいかと言うと、ゴールの瞬間の良い写真がなっかなか撮れない(笑)途中は写真と動画を諦めて走る様子を黙々と見たり、周りの観客と一緒に拍手で選手を迎えたりしてました。 前日ステージでマリア・ロッソを失っちゃったマーク・カヴェンディッシュ(スカイ・プロサイクリング) 彼にはこの後ちょっとした不運(だと自分は思っている)が訪れます……。 終盤戦、総合上位争いをする選手たちのゴールになってくると沿道の観客の盛り上がりは最高潮に。特にイタリア人選手の時なんかはもうめちゃくちゃ!何人かの選手は取り損なっちゃった。 この時点で総合6位のダミアーノ・クネゴ(ランプレISD) 前日、圧倒的な逃げ切りでチマコッピを制し、総合4位に浮上したトーマス・デヘント(ヴァカンソレイユ・DCM)。彼はこのTTで総合3位に昇格、僅か2日でミラノの表彰台を一気に手中に収めるという大業を成し遂げる。 この日の最高沸点(だったような気が)、イタリアの星、ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・ISD) ちなみにもう1人の星イヴァン・バッソは完全に撮り損ないました(笑) そしてこの日のTTで総合首位のロドリゲスを圧倒、逆転優勝でマリア・ローザを手に入れたライダー・ヘジェダル(ガーミン・バラクーダ)。カナダ人初のマリア・ローザ獲得という快挙! 後のインタビューで「『ロドリゲスではなく、デヘントにまくられてしまうのではないか』と最後まで不安でしょうがなかった」と語っていたように、ゲートをくぐる最後の最後まで力を尽くした素晴らしい走りでした。 ちなみにこの時点でマリア・ローザを着ていたロドリゲスも完全に撮り損ないました(笑) そしてレースの盛り上がりも冷めやらぬままに表彰式に突入。
マリア・ローザ総合タイム表彰。手前の少女はヘジェダルの娘さんかな?
ドゥオーモをバックに、マリア・ローザを纏って金色螺旋の優勝カップを掲げるヘジェダル。うーん場所取りミスったな……。 マリア・ローザを失いはしたものの、カヴェンディッシュからマリア・ロッソを見事奪いとったホアキン・ロドリゲス(カチューシャ・チーム)。 マリア・アッズーラのマッテオ・ラボッティーニ(ファルネーゼヴィーニ・セッライタリア)……って紙吹雪で何も見えない(笑) マリア・ビアンカのリゴベルト・ウラン(スカイ・プロサイクリング)……てイタリア美女で見えない(笑) 毎ステージそうなんですけど、ポディウム表彰者が両サイドからの美女のキスで挟まれるって実にイタリアらしいと思ってしまうのは俺だけですかね(笑) それにしても美女のスカート危ういよね……実に危うい。これ壇上に上がるときなんかに右下のおっさんとか確実に捉えている気が……いえ、何でもありません。 【オマケ】 (※筆者の想像です) マリア・ロッソを失ったので表彰もないしさっさと着替えちまおうとジャージでくつろいでたら、うっかり特別賞なんて受賞しちゃってうっかりジャージのままで表彰台にあがっちゃったカヴェンディッシュ。ジャージで出てきたのは前にも後にも彼だけでした(笑) しかも彼はこの後それぞれ別の特別賞を3つも受賞し、この日最多となる3回の登壇。もちろんジャージで。 マリア・ロッソ取れずにスプリンターでジロ完走って並大抵のことではないと思うので、きっと関係者が「可哀想だからカヴにあげようよ」ってんでこうなったのではないでしょうか。何の賞かはわからなかったんですけど……良かったね、カヴ(笑) と、いう訳でたった2日間でしたが、実に盛り沢山なジロ観戦でした。 前回も書きましたが、次の機会があれば是非とも山岳ステージを観に行きたいですね。チマ・コッピなんか特にね。平坦と違って集団も分裂してるでしょうし、選手のスピードも遅いので、また違った楽しみ方ができると思いますね。恐ろしい斜度の登り坂で懸命にペダルを回す選手の横を並走したい。その時はなんかコスプレでもすっかな……(割とマジ) さてジロ観戦記はこれにて終了なのですが、このイタリア旅行記、全3回と前回述べました。 最終回はジロ本戦から少し離れて、サイクリストの聖地と呼ばれるマドンナ・デル・ギザッロ、通称ギザッロ教会を目指したこれまたマニアックな旅の記録をお届けしたいと思います。乞うご期待。
なにしてるんすかっw
返信削除自転車好きを拗らせるとこうなります(笑)
削除はじめまして。
返信削除いやー凄いですね。本場のレース観戦ってうらやましいです。是非一度体験したいものです。イタリアは大好きなのでせっかくならレースの時期に行けたらいいなあ。
また遊びに来ます。
HIROさん、はじめまして。
削除ジロ目的で飛び出した旅ですが、食も文化も十二分に楽しめました!流石イタリア。この時期は天候も穏やかで15日のうち雨に降られたのは1日だけ。ジロ観戦を兼ねたイタリア旅行、もの凄くおススメですよ!
自転車系エントリーはまだまだ少ないですが是非!