『もう、いいのか?』
もうほんっと久々の投稿です。前回投稿からなんと8ヶ月。
この間、実に色々なことがありまして、実は結婚するとかいう人生の大転機を迎えちゃったりしていた訳ですが、それはさておき何はともあれアニメ感想の投稿をするという通常運転のたたろぐです。
それもそのはず。なんせ今日は、これまで5年もの間、我々ガンダムファン、引いては初代から連綿と続く宇宙世紀シリーズファンを唸らせ続けてきたこの『機動戦士ガンダムUC』がついに完結した日!
更に今日は丸の内ピカデリーの初日舞台挨拶回を抑えることに成功し、ガンダム仲間と共に鑑賞し、感動し、失禁するという素敵な1日となったのです。まぁ感想書かずにはいられない、という訳です。
(以下、当然ネタバレ込みですので未鑑賞の方はご注意を!)
さて今回シリーズ7作目の最終章。地球連邦政府とビスト財団の100年間の密約を支えてきた「ラプラスの箱」を巡る攻防のクライマックス編。
これまでの戦いの中で色んな人と出会い、触れ合い、通じ合い、そして失いながらも、ついに「ラプラスの箱」を前にするバナージとオードリー。そこには、連邦政府が只管に隠してきた過去から未来への祈りと、宇宙世紀100年間/ジオン勃興後のアースノイド・スペースノイドの争いにより積もり積もった呪いの果ての姿でした。
「ラプラスの箱」を隠し続けることで、あるかどうかもわからない未来への可能性を摘み取り、現状から得られる利益を最大化してきた大人たち。彼らの判断は非常に合理的で、この世の安定を目指し、また同時に実現してきたものではありました。事実、マーサが語る通り、その僅かの犠牲を黙殺することで最大多数の安寧を保ってきたという実績が彼ら大人たちにはあったのです。
しかしながら、ジオン勃興、そして1年戦争に端を発したアースノイド・スペースノイドの争いと繰り返される悲劇。100年の時を経て安寧とはとても呼べない状況下に陥った宇宙世紀は、奇しくも4年後に迫ったジオン公国自治権の失効を持って、偽りの安寧というカオスをはらんだまま次なるフェーズへ何ごともなく移行しようとしていた。体面を取り繕ってはいるものの、限界が来ていることはあまりにも自明なことでした。
今ある矛盾と軋轢を抱えながらもそこから抜け出せない程に「呪い」に雁字搦めとなった大人たち。これに対する一縷の光となったのはやはり子どもたち、バナージとオードリー、そしてリディでした。
思えば宇宙世紀シリーズは全て、子どもたち=未来への可能性、変革・適応・創造の象徴とする大きなメッセージがあったように思います。福井さんですら「うーん」と酷評した(笑。自分はかなり好きなんですが)ZZで最もそのメッセージは強く示されていたと思います。ハマーン様の言う「賢しい子/強い子」というのは、もちろんジュドーを指していた訳ですが、それ以上の大きなメッセージなんだという風に、総集編を観て改めて感じました。
ここで印象的だったのは、かつてその可能性・ニュータイプの1人として示されたシャア・アズナブル、彼の再来と呼ばれるフル・フロンタルが、今、人のもつ可能性を信じたバナージの前に立ちはだかるという構図。
最終的に、この世の虚無、未来に待ち受ける絶望の可能性を前にしても、今ある自分たちとその仲間たちの紡ぐ可能性を信じてやまなかったバナージを前に、シャアの魂は奇跡を再び見ることになったのです。
そして彼は同時に気づいたのでしょう。可能性を志していた自分が、人の器となり、総意を代表するものと位置づけた時に、今ある体制の中で蠢く闇を自分の中に抱えてしまった、今の体制を構成するものとして、未来を踏みつける側へ回ってしまったことを。
戦いのラストでアムロとララァが「もう、いいのか?」とシャアを優しく迎え導くシーン。人の持つ可能性の奇跡を体現したアムロとララァ、そしてその場に居合わせ奇跡を目にしながらこの世の業に絶望し、されど諦めることなく戦い挑戦し続けた、その果てにこの答えを得たシャア。
かつて人の可能性の担い手としてその端緒となりそれぞれの道を歩んだ3人が、最後に1つとなって光を紡ぐ。
もう鳥肌以外の何ものでもございません。
1つの長い長い歴史が幕を下ろした、非常に感慨深い感動的なシーンでした。
正に宇宙世紀の歴史の果てに辿り着いた、非常に素晴らしい結末だったと思います。
物語としてはバナージとオードリーを核にしながらも、やはりシャアという男の歴史に魂の震え(=サイコフレームの共振)を感じる、宇宙世紀シリーズファンとしては誰もがこの感動を禁じ得ないのではないでしょうか。
もうひとつ、語りたい物語としては、1年戦争依頼繰り返されてきたニュータイプの悲劇、マリーダさんの最期がありますね。
これまでもニュータイプや強化人間たちが、守りたい大切な人の盾となって散っていくことはありました。ただ今回、人としての心を取り戻したマリーダさんが命を賭して守った相手は、その生命を奪う引き金を引いたリディ本人だったという悲劇(´;ω;`)ウッ…
最期に放たれるニュータイプ同士の感応にリディもこころを取り戻すわけですが、もうちょっとどうにかならなかったのかと……ここまで死ぬ死ぬ思って生き延びてきたマリーダさんなのに……ジンネマンの声を殺して泣く姿にまた(´;ω;`)ウウッ…
更に更に物語という意味では、今作品の主人公・ヒロインであるバナージとオードリー。後日談としてこの二人のイチャラブを見たい!(あれ、なんだこの急転直下の温度差……)
良いですよね、凛としたお姫様がデレるところとか。もう想像しただけでご飯何杯でも、というかご飯なんて喉を通らないですよ。いやぁミネバ様はホント素敵な女性になりました。ハマーン様よりもあるいは……(そうだ、ネオジオンで働こう)
バナージ、オードリーはまだ16歳でしたっけ?彼ら二人がこの後の宇宙世紀をどう生き、そしてF91、Vガンの世界へどう繋がっていくかは、それこそまた別の物語として非常に興味深いものがありますね。きちんと繋がるのかは定かではありませんが……
さてキャラ設定で流れが崩壊してきた所でこのまま機体の話に行きましょう。
何と言っても2体のユニコーンガンダムのフルアーマー形態。一斉展開砲撃用のもりっと感!プロペラトタンクが外れた状態が一番好きですね。スマート感と重装備のバランスがたまらん。
大量のナパーム・ミサイルを撃ちまくる砲撃戦の派手さと重厚感!戦いが進むに連れ次々とパージされていく装備たち!最後に撃ちぬくビームマグナム!はーもう幸せ。
(今思えばep4感想でも述べた通り、ep2のビームマグナム音に惚れ、ep3を劇場で見た時にその音の迫力に失禁しかけた(また笑)思い出。最後にまた聞けてよかった)
そしてフロンタルの駆るネオジオングの巨大さと来たらもう。機体デザインはそこまで好みではないですが、拠点制圧機として機動力を一切捨て、メガ粒子砲とサイコミュ遠隔コントロール?で敵勢力を圧倒する姿はただ只管にかっこいい。ただ近接してきた敵にシナンジュが腕出して攻撃してんのはちょっとかわいい感じでしたが笑
最終決戦、ユニコーンとネオジオングのサイコフレームを介してニュータイプ同士の精神世界での葛藤の末、↑のように導かれたフロンタルですが、当日仲間とも話していた通り、ユニコーンとシナンジュともに全ての拡張装備をパージして、ベース機のみでの一騎打ち、だったらもう最高でした。好きなんですよ、マイトガインの最終回とか。\カイザーパーツ強制排除!/
さてその他機体について。
まずは最初のネェル・アーガマ対レウルーラの艦隊戦。レウルーラ側の勢力としてなんとも懐かしい顔ぶれが揃ってましたね。リゲルグとかズサとかバウとか。
そしてこの戦いの中で最も光っていたのはやはり名も無きパイロットが駆る近接戦闘型シュツルム
・ガルスと小銃型ビームガン?戦闘のジェガン?今回全体的に近接戦闘がかなりフィーチャーされてましたよね。その中でもこの2機は動く動く。はーもうたまらん。
そしてもう1機、燻銀的な輝きを放っていたのがシルヴァ・バレトですね。グレーホワイトベースの渋いカラーリング然り。ドーベン・ウルフの後継機ということでその流れをフォルム上にも存分に汲んだこの機体、あのラスボス感たっぷりのネオジオング相手に孤軍奮闘する姿は、ただただカッコ良かったですね。
さぁこんな所でしょうか。書きたいことありすぎて雑多になりましたね。まぁ初回視聴直後ならこんなもんですね(通常運転)
2010年の開始以来、5年間も楽しませ続けてくれたスタッフに本当に感謝したいです。宇宙世紀ものというだけでかなりのハードルの高さだろうに、事実その期待を大いに超えてくれた、本当に素晴らしい作品でした。古橋監督、もっと自信持ってください(笑)
この作品が終わってしまったというだけで、かなりの喪失感ですね。寂しくてしょうがありません。
この心の隙間はきっと、来年春から上映開始されるTHE・ORIGINが埋めてくれることでしょう。きっとUCファン誰もがそう思ってるに違いない。
はー本当に楽しかった。絶対にもう1回、劇場に観に行きます。高音質のビームマグナム音を聞きに。
それにしても本編前に放送した宇宙世紀総集編の『episodeEX 百年の孤独』って毎回上映ですよね?初日舞台挨拶回だからじゃないよね?もうね、ララァの最期を劇場スクリーンで見る日が来るとは思わなった。ソシテトキガスコーヤカニー
この特別編上映と併せてか、UC本編も初代へのオマージュたっぷりでしたね。アムロ!ララァ!あぁ……刻が見える……
いかん、また始まってしまいそうだ。もうこの辺で。
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(UC関連)
⇒OVA『機動戦士ガンダムUC episode4 重力の井戸の底で』を観て
⇒OVA『機動戦士ガンダムUC episode5 黒いユニコーン』を観て
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