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2011/04/01

嘘のようなホントの話 -知的財産権?について呑んだくれどもが本気出して考えてみた-

今日は明け方までずっと飲み会で、今頃になってようやく酒が抜けてきた。
のでちょっとその時の話をまとめておこうと思う。

というのも、2次会に場所を変えた午前2時か3時、いい感じに酔っ払って眠気も出てきてぐだぐだ感溢れ始めてきた(いつものこと)頃、ひょんなことから知的財産権がらみの熱い議論が始まってしまったのだ。

焼酎(甲類)の水割り飲みながらこんな時間にそんな話をするやつがいるわけねーエイプリルフールネタにしてはつまらんぜ、って方。残念ながらホントの話。俺も信じられん(笑)






話の始まりは俺が、

「マンガを買うときは絶対に新品を買う。」

と言ったこと……だった気がする。如何せん、酔っ払ってたからよく覚えてないけど、確かそう。
要するに、B○○K○FFで買ってもその代金は作者に還元されない訳で。俺は自分がお金を払うだけ気に入った作品の作者さんには頑張ってもらいたいので応援の意味もこめて新品を買う、と言ったのだ。
そしたらこの意見に同調したのが先輩。

「私は、作品を生み出すために作者がしてきた努力やその才能というものに対して、その正当な対価としてお金を払っているし、本を買うとはそうあるべきだ。中古市場のシステムはこれを行っていないのだから許せない」

と言い切ったのだ。
これに反論したのが同期。

「中古市場は、正規の値段で購入することができない層にも安く購入して作品を手にすることができる機会を与える場になっている。それは作品の宣伝として作者側にとってもいいことのはず」

なるほど。そうかもしれん。
しかし良く考えてみてほしい、と今度は自分と先輩が反論。


「作品の宣伝になるとしても結局そこで作者への還元がないのだからそもそも宣伝になってない気が。結局中古店が仲介料をとってるだけ」

「購入できない人は図書館に行けばいい。そういう人のために国や自治体が用意した場なのだから」

同期は反論。そうじゃない、と。

「図書館は数が少なく遠くなりがち。それに新刊は人気で手にすることがほぼ不可能。チェーン展開で店舗数もあるB○○K○FFならより広範な層にチャンスを与えてくれている。お金が無い学生なんかは特に恩恵に与れるんだから」

ふむ。
中古市場は消費者に大きなメリットを生み出すシステムであり、作品へのアクセスを不可能にしていたギャップを埋めるものだ、と言う事だ。確かに図書館インフラがカバーしきれなかったスキマにビジネスチャンスを見出したB○○K○FFの戦略は見事だったと言えよう。

しかし先輩は更に反論。

「新しい(つまりより魅力的な)ものを早く安く手軽に(遠くに行かずに)手にしたいというのなら当然それ相応の対価を払うべき。それは遠くまでいく努力であったり代金を得るために働くことであったり。それをせずに要求だけを正当化するのはただの甘え」

うほっ、さすが先輩!俺達が言えないこと(ただの甘え宣言)を平気でやってのけるとか痺れるとか何とか(AA略)
だがここで横で寝かけてた先生が同期を援護射撃。

「例えばもし60000円の専門書があったとして、定価の新刊の横に同じものが中古で6000円で売っていたとしたら、当然安い方を買うだろう。消費者心理としては当然の選択。価格競争に優位性を持った中古市場が発展するのは当然であり、資源や文化のリサイクルという点でも良いことだよね。別に法を犯した訳じゃない」

ぐぬぬ。なるほど。
公共の福祉の名の下に各人の平等な権利を保証する法が否と言わないのだから良い、と。あとは資本主義社会の流れに沿って……という訳だ。

でも、そうじゃないよね、というのが俺の意見。

「市場競争での勝者こそが正義である、とここで言うのは安かろう悪かろう精神と同じ。作品を作る職人に敬意をもって正当な報酬を払うことをなぜしないのか。知的活動とはそんな軽んじられていいものなの?安ければいいという自分本位の考え方はあまりにもがなさ過ぎる」


「そう!がない!自分が持っていないもの、才能や努力の成果であるものにそれ相応の対価を払うんだから、安いからこっちっていう安直な選択はおかしい!」


「例えば子供だったり貧しい人だったりが手にできなかったものを得られるチャンスを作ることのどこがおかしい事なのか?『高くても正当な対価を払え』というのは金持ち上位層の論理であって、それをそうでない人間に押し付けるのは間違えている。そっちの主張には平等性がなさ過ぎて、それこそがない!」




まぁ結局最後まで平行線でした。そりゃあ、「対価払えよ派」は作者側、「機会を与えろよ派」は消費者側の視点なので、現状では双方のメリットが両立できていないという証拠なのでしょう。
……最終的に双方とも「愛」という非常に根源的な倫理指標を用いて主張した点は非常に興味深い。

ここまでまとめといてなんですが、徹夜で酒呑んでた時の話なので&自分も一方の主張を支持していたので、実際の議論を正確にまとめきれたかどうか自信はないです。やはりどうしても自分の主張寄りになっちゃうだろうし。資料があった訳でも無いので不正確な点もあるでしょう。

ただ夜中の飲み会でこんな話が展開できたってのがとても面白いと思ったので、まとめてみた次第です。もっと他の意見を聞いてみたいでもテーマでもありますね。


皆さんはどう思いますか?




2 件のコメント:

  1. 面白かったです。

    自分は考えてみるとBOOKOFF・漫画喫茶否定派かな。本って価格が固定だから、消費者(小売もか)を圧迫しがちになる性質があって、そこのギャップを埋める必要はあるんだけど、理想を言えばそれは個人的な貸し借りで実現するべきものであって、仲介業者がマージン取って促進するのもなんだかなぁと思うのです。だからまぁBOOKOFFは主にトレジャーハントに利用してます。

    ただ現実の行動としては、思い入れがあるもの以外は古本でも漫画喫茶でもクラーク亭でもいい、という感じです。好きなものには一票を投じる気持ちで買うというか。シゲサト・イトイ的「消費のクリエイティブ」というか。BOOKOFFでたまたま目に入って、その後「好きなもの」に加わる例もあるので、なかなか一筋縄にはいかないのですが。

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  2. 価格固定制は確かにもう少し何とかなる気がしますね。ハードカバー→文庫化はその1つだと思いますが、小説ぐらいしか実施されていませんもんね。古くなった情報はそれに見合った価値に変化させていくことは盛り込むべき重要なシステムだと思います。
    自分もB○○K○FFへはトレジャーハントしに行きますが、最近ではwebで行う方が多い気も。1話試し読みなんてのも多く見かける様になりましたしね。

    とりあえず自分は就活が終わったらクラーク亭で全巻読破したハガレンを大人買いしようと思ってます(笑)気に入った作品はやっぱり手元に置いておきたいし作者を応援したいと思いますから。

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