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2011/10/12

ちょっとアイオワ行ってきた。の1日目

突然ですが、今週からアメリカはアイオワ州、AmesのIowa State Universityに来ています。

農学部のプログラムで、ISUと中国の雲南農業大学と韓国の嶺南大学、とうちの大学との4校合同フォーラムを開催しており(というか今年度が1回目)、今年はその会場がアイオワだったというわけ。
1週間のプログラムの間、自分たちの研究発表だったり、講義を聞いたり、アイオワの農業を見学したり……と盛り沢山の内容になってます。せっかくの機会なのでここで写真と一緒にまとめておこうかな、と思った次第です。

……ホントはその日のうちにやるつもりだったけど、時差ボケが酷くて起きてられなかったので2日後のこの時間の編集になってます(午前9時)

というわけで今日はそのプログラム1日目。




普段はSchilletter University Villageなる大学の施設に泊まってます。
結構広い敷地内にアパートが60~70棟ほど乱立していてちょっとした住宅街になってます。

今朝は全員で移動するので大学から送迎バスでお迎えがきました。


逆光で見にくいけど、バスのデカさとフォルムに朝から無駄にテンションMAX。
大学まではほんの数分で到着。ただ敷地がやたら広い(北大とかあんま比較にならない)ので、大学着いてから目的地に辿りつくまでの方が時間がかかるほど。



大学のCentral Part(もはやこの呼び方が広さを物語っている)に位置するMemorial Unionなる記念講堂。
大学の施設とは思えないくらい凄く綺麗で趣のある建物。中にはGreat Hallなる名前からしてGreatな大講堂を始めとして教会や大学関係者(?)の戦没者慰霊碑(なんとWWIから)まであります。


そんなUnionの"Gallery"なる部屋で朝食をとる。



……何このオサレなセッティング。


……オサレなBuffet形式。


……!?!?( ゚д゚)ポカーン
アメリカというだけあって毎日3食ハンバーガー、野菜なしという事態も想定し、太◯胃散と正露◯まで持ってきてんだけど、正直これには驚く。普通に旨い。一緒に来た留学生と感激して食いまくる。

『流石農業大国アイオワだな!これなら1週間戦えるぜ!』

とこの頃の僕達は無邪気にはしゃいでいたのであった……(典型的な死亡フラグ)


朝食を終えたらそのまま歓迎式(?)に突入。


学長のJoeさんから歓迎の言葉と一連のプログラム概要を説明して頂きました。
本場アメリカ人の英語、発音綺麗過ぎヤバイ。しゃべりが早すぎてあれだけど。
アイオワの農業やISUの研究活動なんかを紹介してもらった後は、今度は自分の研究について発表するポスターセッション。


A0サイズのポスターに自分の研究成果をまとめて、他の参加者に紹介します。
理系なら経験のある方も多いのでは、って位メジャーなスタイルです。
もっとも絵画用のキャンバスに飾るなんていうオサレスタイルは初めて見ましたが(笑)
ちなみに私のポスターはこんな感じ。


本来こういうポスターセッションは、自分のポスターのすぐ横に立って、自由気侭に訪れる参加者の方に「よろしければ……」みたいな形で補足説明したり質疑に答えたりするのが一般的(だと思っていた)なので、完全に油断していたら、

『皆で順番に回ってくから7分間でプレゼンしてちょうだいね♪』 



……Oh, Gods(´Д`)……

悪戦苦闘にも程があるってくらい脳みそ使いました。
7分のプレゼンを3回やりましたが、最初の1回なんてもはや何言ったか覚えてないレベル。
2回目、3回目はそれなりに形にできた……気がする。そもそも全体の8~9割が分子生物が専門の方々に向かって土壌がテーマとはいえど物理的なお話をするっていうのが苦しかった……。

発表はこんな感じです。写真はもちろん俺ではないです(笑)




脳みそがカロリーを使い果たしたところで、待望のハイパー昼飯タイム。


またオサレな……と思いますが、皿に乗ってるのはハンバーガーにコールスローサラダ、ポテチに尋常じゃない甘さのチョコブラウニー。
実は前日の移動+Villageでの食事で既にハンバーガー何回食ったかわからんくらい食べてるのでちょっと( ゚Д゚)ってなる。

食事を済ませたら、またそのまま午後のプログラムに関する予備知識を得るためのプレゼン。
こっちの人は食事スタイルのまま、発表したりするのが好きなんですかね?




で講義が終わったら、今度はキャンパスの外へ出てアイオワ農業の地へ向かいます。
まずはトウモロコシ、大豆、そして酪農を営む農家さん、Brianのお宅へ。


Brianマジブライアン。
名前とのシンクロ率が異常。もちろん右の方です。左は引率のDick。
んでこれがBrianの農場。


地平線までトウモロコシ畑が続くとかもはやファンタジー
スマフォで撮った写真じゃ全然伝わらないかもだけど。もちろん全てBrianの畑ではないでしょうが、アイオワはトウモロコシ栽培が盛んで……盛んにも程がある。

アメリカのトウモロコシと言えば、バイオエタノール向けの生産拡大によって、国際価格まで高騰したことが有名です。実際Brianの畑でも3~4割ほどをBE向けに出荷しているとのこと。


畑近くの倉庫の中のこの砂山。実は全部トウモロコシ。
バイオエタノール化するためにはトウモロコシを発酵させなければならない(要するに酒)ので、分解と発酵を促進させるためにそれこそ砂ほど小さくなるまで粉砕するそうです。

あとアメリカのトウモロコシ、といえば遺伝子組換え、いわゆるGM作物
特に言及はしてなかったけど、畑を見ると、トウモロコシは全て同じ高さに実がなってるんですよね(写真撮り忘れた)。日本のトウモロコシ畑を見ると、茎の上から下までポツポツとなっているのに。
機械による収穫を効率化するために、こういう品種を開発したんじゃないかなぁ。
ある意味流石、というかそんなことまでできるんだからバイオテクノロジーとは恐ろしいもんやでホンマ……。



さて、Brianとは別れて、今度はISUの研究地域、Riparian Buffer Programへ。



……まぁ日本人から見るとただの雑木林にしか見えないかもしれませんが、先の写真でもあったようにアイオワでは基本的に、


こんな具合の農地が川沿いギリギリまで広がっているので、営農活動で柔らかくなった土は、雨が川に流れ込んだり、また川の流れそのものによる侵食で、どんどんと流れていってしまうのです。いわゆる土壌流亡・土壌侵食という問題。
また、植物のための栄養としての窒素分を補給するために化学肥料を大量に投入するので、それが水と一緒に川に流れこみ、川を汚してしまうのです。実際、ミズーリ川(アメリカ中西部を南北にぶったぎってる大河)の汚染原因として、アイオワ州はぶっちぎりのワースト1なのだそう。

そこで川沿いにこういう林や草地を人工的に復活させることで、これを防ごうという取り組みなんですね。木や草が根をはることで物理的に土壌を保持し、脱窒という微生物反応によって水中の窒素分を浄化することもできる(事実90%の窒素がこれにより浄化できているそう)、実に画期的な仕組み。野生生物の住処になって生物多様性の維持にも貢献する一石三鳥な取り組み。


林の中まで入り込んで案内してくれました。



さて、Villageに戻ったら夕食が用意されていました。


……きましたよ。ピザフライドチキンコカコーラ!
写真は最初撮り忘れて、お替わりしたときの皿なのでちょっとアレですが、フライドチキンは皿の半分を埋め尽くすようなデカさです。
腹が減ってたのでおかわりしましたけど、結構キマス。コールスローサラダを焼け石にぶっかけたところであまり効果がないっていうね。マヨネーズまみれだし。
こっちの人がみんな体がでかいわけだよなぁ。


さぁ夕食も食べて盛り沢山な一日が終わった……かと思ったらまだでした。
再びISUはMemorial Unionに向かい、大学主催の講演会に参加します。


2002年のWorld Food Prizeを受賞したPedro Sanchez氏の講演でした。アグロフォレストリーの先駆者であり、それに関連した講演だったようなのですが……如何せん、食後の満腹感と重度の時差ボケにより1時間ほぼ爆睡。あぁ……なんと勿体無いことを……でもホント吐き気をもよおすくらいだったのでしょうがないかなぁ。



と、いうわけで、えらく長くなってしまったけど、それだけ盛り沢山だった1日目が終了。
帰ったらシャワー浴びてすぐ記憶がなくなりました。んでもって朝4時に起床。どう考えてもまだ時差ボケが解消されてません、本当にありがとうございました……

スケジュール見ると初日が最も忙しい日のようなので、火曜日以降はまだ余裕を持っていられるかな、と期待。

では続きはまた後ほど。




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